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プレスリリース 2008年

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世界で初めて、直接変調方式で長距離伝送を実現した10Gbps光トランシーバを開発

~直接変調LDの構造見直しとEDC回路の内蔵で80kmの長距離伝送を実現~

2008年9月18日
住友電気工業株式会社

 住友電気工業株式会社は、直接変調方式を用いながらも80kmの長距離伝送を可能とした10Gbps光トランシーバの開発に世界で初めて成功しました。
 本製品は、9月22日よりベルギーのブリュッセルで開催される光関連の国際展示会「ECOC2008」において動態展示を行います。

10Gbps光トランシーバ

 光トランシーバとは、電気信号を光信号に変換する光送信機と入力された光信号を電気信号に変換する光受信機を一体化した光送受信モジュールのことで、光通信網の発展に伴い、ますます重要度を増しています。近年、インターネットによる映像配信サービスに代表される高速大容量通信システムの普及が急速に進み、このような大容量通信を実現すべく伝送速度10Gbpsの超高速光トランシーバの需要が増加しています。

 

 今回、当社が開発した長距離用10Gbps光トランシーバは、短距離(10km)用10Gbps光トランシーバで用いられる直接変調レーザダイオード(以下、直接変調LD)の構造を見直し、受信機側に電子式分散補償(Electronic Dispersion Compensation、以下EDC)回路を内蔵することで、世界で初めて直接変調方式を用いながら80kmの長距離伝送を可能とした製品です。

 製品の詳細は以下の通りです。

(1)

長距離用10Gbps光トランシーバの光源として、世界で初めて直接変調LDを適用

 電気信号を光信号に変換する方法は、大きく分けて【1】LDを用いて変調信号の変化をそのまま光源の強度変化とする直接変調方式、【2】LDからの出力光に対し、外部から変調を加える外部変調方式、の2種類があります。
 直接変調方式は、安価で小型化が可能という利点がありますが、直接変調に起因するLDの光スペクトラムの広がりにより伝送波形に歪みが生じ、伝送距離が制限されるという欠点があります。そのため、従来の10Gbps光トランシーバには、外付け素子で光信号に変調をかける外部変調型光源が使用されてきました。一方で、外部変調型光源は、高速で長距離伝送が可能という利点がある反面、素子が特殊な材料で構成されているため製造に時間を要し、コストも高くなるという問題がありました。当社は、短距離(10km)伝送用10Gbps光トランシーバで用いる直接変調LDの構造見直しを行い、変調時の光スペクトルの広がりを抑制することに成功しました。

 

(2)

受信機側にEDC回路を内蔵し、信号処理技術に最尤法を利用

 受信機側には、光ファイバ伝送時に歪んだ信号を補正するためのEDC回路を内蔵しました。また、最尤系列推定法(*1)を利用した信号処理技術を適用することで、受信感度の改善も図り、上記の直接変調LDとの組合せで80kmの長距離伝送を実現した10Gbps光トランシーバの開発に成功しました。

 

 

 本製品は、外部変調方式の10Gbps光トランシーバと比べて、安価で小型化も図れることから、今後、高速大容量通信システムに適用されていくものと期待しています。
 当社は、ECOCを始めとする展示会で、ユーザーである公衆通信機器メーカーや光LAN機器メーカーの意見・要望を収集し、2009年初頭には本製品の販売を開始する予定です。

以上

 

【語句説明】

 

(*1) 最尤系列推定法

変化のパターンを考慮したモデルを設定し、それに基づき実際のデータが実現する確率(尤度)を計算する手法

 
 
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