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プレスリリース 2008年

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樹脂中の赤リンの有無、含有量を分析する技術を開発

2008年7月31日
住友電気工業株式会社

 当社は、これまで確立されていなかった樹脂に含まれる赤リンを分析する方法の開発に世界で初めて成功しました。

 現在、プラスチックなどに使用される樹脂材料を難燃化するために各種の難燃剤が幅広く使用されています。主な難燃剤としては、構成成分からハロゲン系、リン系、金属水酸化物系等があり、少量の添加で難燃性を付与できる赤リン(※1)もその一つです。

 昨今、樹脂材料を用いる製造現場では、品質管理上の必要性から、新たな材料の採用や原材料の受入検査等において、樹脂材料に含まれる様々な成分を把握したいという要求が高まっています。こうした状況のもと、当社は、これまでは不可能であった樹脂に含まれる赤リンの有無および含有量を分析する技術を世界で初めて開発し、特許を出願しました。

 今後、各種樹脂製品の材料開発をはじめ品質管理、受入検査など、様々な分野での本分析法の活用を期待しています。

【熱分解ガスクロマトグラフ質量分析法による樹脂中の赤リン分析技術について】

 熱分解ガスクロマトグラフ質量分析(※2)は、高分子材料など有機物の分析に専ら用いられる手法ですが、これまで赤リンなど固体無機化合物への分析事例はありませんでした。しかしながら、赤リンの450℃付近で昇華・ガス化する性質に着目し、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析にて、赤リンが特徴的なマススペクトル(※3)を示すことを見出し、樹脂中の赤リンを定性・定量分析できることを確認しました。

 本分析法は、溶剤による分離回収など煩雑な前処理が不要であり、また0.1mg レベルという非常に少ない試料量で分析できる特徴を併せ持ちます。

以上

【用語解説】

※1 赤リン:
リンの同素体のひとつ。黄リンを密閉容器内で約260℃に加熱して得られる赤褐色の粉末。

※2 熱分解ガスクロマトグラフ質量分析:
瞬間的に高温に加熱し、気化した分解生成物を分析することができる。分解された生成物はその後、電気信号に変換され、時間を横軸に、電気信号の強度を縦軸にとったグラフとして表される。横軸の時間(信号ピークが現れた時間)から物質の同定が、縦軸の面積(信号強度)から定量分析を行うことが可能。有機物の分析に用いられることが多く、赤リンなど固体無機化合物への適用事例はこれまでなかった。

※3 マススペクトル:
質量分析から得られる、横軸に質量(m/z 値)、縦軸に検出強度をとったスペクトルのこと。

 

<参考資料>


分析フロー


図1:熱分解ガスクロトマトグラフ質量分析による赤リン分析データ

 

 
 
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