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超電導現象を利用した超電導線材は、電気抵抗がほとんどないために、従来の線材よりも200倍以上の電気を流すことができるので、様々な装置の小型・軽量化が可能であると考えられ、長く実用化が望まれてきました。超電導線材の特色を利用した超電導モータは、エネルギーを無駄なく使用することができる大変経済性に優れた、自然環境への負荷の少ない高効率モータとなります。
従来開発されてきた超電導モータの冷却冷媒には液体ヘリウム(7K・約-266℃)や液体ネオン(30K・約-243℃)が使用されてきました。ヘリウムやネオンを使用すると極低温のため断熱構造が大きくなり、モータの小型化が難しいこと、液体窒素(77K・約-196℃)と比較すると価格が約10倍(ヘリウム)から約100倍(ネオン)のため、オペレーションコストが高くなるなどの問題がありました。そこで安価な液体窒素を冷媒にした場合の研究も進められてきましたが、他の冷媒に比べて高温のためコイルに大きな電流を流すと発生した強い磁場がコイル自身に影響し、ついには電流を流せなくなるという問題があり、実用化が困難とされていました。
産学グループでは、磁束をコイルに鎖交させないで大きな電流を流すという発想をもとに、「ビスマス系超電導線(DI-BSCCO)(*B)」を用いた超電導コイルの中心に磁束を集中通過させるための「フラックスコレクタ(FLC)(*C)」を開発し、平成17年に世界初の実用化レベルの液体窒素冷却超電導モータの開発に成功しました。その後,実用に向けて大型化に取り組み,今回の365kWの超電導モータを開発し、富士電機システムズ㈱川崎工場にて負荷試験が終了したものです。
今回の開発に成功したモータの大きな特色は、以下の3点です。
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- I.他で開発されている超電導モータでは、直流コイル(界磁コイル)のみを超電導にしていますが、産学グループはFLCを採用したことで交流コイル(電機子コイル(*D))に発生するACロス(交流損失(*E))を低減させ、世界で初めて交流部分を超電導コイルにすることに成功しました。
- II.超電導コイルを並列して使用すると(モータ容量の大型化には必須(*F))コイルの両端にだけ大電流が流れるという超電導コイルの偏流現象(コイルに電流が均一に流れない現象)(*G)が発生します。これに対しては、コイル一つ一つに流れる電流を調整し、均一に流すことが可能な「電流調整器」を開発して対応しました。
- III.他の超電導モータでは軸部分を使用して冷却剤を流していますが、産学グループでは超電導部分(電機子部分)を固定したことで、軸を使わずに冷却することを実現しました。これにより軸の両端を連結等の目的で使用することが可能となり、モータのタンデム連結(モータ容量の大型化)を可能にしました。
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現在、産学グループでは、この超電導モータ(365kW)と昨年,試験的に開発した超電導モータ(50kW)の2台をタンデムにつなげ、2重反転プロペラを直接駆動する推進装置の組み立てを開始しています。
今後、舶用機器市場における省エネ化への期待に応えるべく、平成20年内に400kWクラス超電導モータの市場投入を目指し、また2,500kW大型化への開発も継続していく予定です。
<モータの仕様>
出力:365kW、回転数:毎分250回転、大きさ:直径1.2m×長さ0.8m、重量:4.4t
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