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現在、本産学グループを取りまとめる石川島播磨重工(IHI)の横浜事業所技術開発本部水理実験場では、推進装置の水中稼動試験が続けられています。ポッドの大きさは、幅 0.8m x 長さ 2mで、直径1mの推進プロペラを毎分 0 回転から100 回転(※3)の範囲で正回転・逆回転を自由に制御する事ができ実機化への見通しがつきました。(調査した限りでは、液体窒素冷却の超電導同期モータを内蔵したポッド型推進装置は、世界初です。)
試験の結果、設計値どおり「モータのうなり音」と「モータからの漏れ磁束」は共に計測限界以下の成績が得られており、色々な用途に使える事が確認されました。産学グループでは、出力500kW、回転数毎分220 回転同期電動機実機化の見通しを既に持っており、受注体制を整えつつあります。
今回産学グループが開発した超電導モータは、量産が可能な高温超電導線材を、従来は困難であった液体窒素を冷媒に用いて、全て産学グループの特許技術で製作を可能としています。 高温超電導線材に流すことのできる電流は、それに鎖交する磁束と温度により大きく影響されます。従来の技術では、液体窒素を冷媒とした場合、大容量モータに必要な界磁磁束密度を得ることは困難でした。産学グループでは、高温超電導線材に鎖交する磁束を小さくして、界磁磁束密度を大きくする方策として、「フラックスコレクタ(商標登録出願中)」を採用し、この課題を解決しました。 「フラックスコレクタ」は、界磁コイルの中心に高透磁材料を配置して、磁束を集中通過させるもので、これにより、液体窒素温度でも大電流を流すことができ、その結果大きな界磁磁束密度が得られるため、従来の電動機の1/10 の大きさで、かつ大出力の超電導モータの製造が可能となりました。
このモータの特徴(*B)を最もよく生かす製品として船舶用ポッド型推進装置を試作しました。ポッド型推進装置は、推進装置が船体外部に装備されるため、船内のスペ-スを有効利用でき、船内騒音も少なくなり、船の操縦性能も高くなる(従来の半分程度の距離で船の旋回が可能)などの利点から、欧米を中心に客船などで採用されていますが、大型(大出力)ポッド推進装置に従来のモータや永久磁石モータを内蔵するのでは、ポッド推進装置外径が大きくなり非実用的なため、実用範囲拡大のためには、小型・大容量の超電導モータの開発が望まれていました。産学グループが開発した超電導モータは、画期的な小型化を実現したため、ポッド推進装置の外径を従来の1/2 程度にすることができ、ポッド推進装置そのものの推進効率が3~5%向上するので、モータ自身の効率向上に加え、省エネルギーで自然にやさしいモータとなっています。
そのような特長から、今後は、いろいろな用途(*C)が期待されます。
さらに、産学グループでは、本年3月までに、欧米や韓国に先駆けて本超電導モータを全超電導化した「全超電導同期モータ」(※4)の実用検証機を完成させる計画です。
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