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ご挨拶

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株主の皆様へ:平素は格別のご支援を賜わり、ありがたく厚く御礼申し上げます。当社グループの当上半期の業績につきまして概況をご報告いたします。

 

当期の業績

 当期の日本経済は、上半期は世界的な不況の影響を強く受け、マイナス成長となったものの、自動車・家電への政府の購入支援策や中国など新興国向け輸出の増加により、年央から景気が回復へ向かいました。世界経済についても、欧米では金融不安や雇用情勢の悪化はあったものの、各国政府の経済対策が景気を下支えし、また、新興国経済も、中国・インドを中心に経済成長が継続するなど、緩やかながら景気の回復が進む局面となりましたが、全体としては低水準に留まりました。

 

 当社グループを取り巻く事業環境につきましても、年度初めは世界的な不況の影響やそれに伴う在庫調整により、自動車・エレクトロニクス市場を中心に大幅な需要減少となったものの、その後は緩やかながら需要が回復しました。しかしながら、一方で、円高の進行や、国際競争激化による製品価格の低下などもあり、総じて厳しい状況で推移しました。

 

 このような状況のもと、当社グループは、人員・経費削減などの思い切った構造改善対策や、グローバル規模での生産最適化、生産効率の向上など、徹底したコスト低減に取り組むとともに、市場ニーズの変化に対応した新技術・新製品の開発・拡販に注力してまいりました。この結果、当期の連結決算は、売上高は、1,836,352百万円(前期2,121,978百万円、13.5%減)と前期比で減少しましたが、利益面では、営業利益は51,728百万円(前期23,527百万円、119.9%増)、経常利益は68,206百万円(前期37,773百万円、80.6%増)、当期純利益は28,708百万円(前期17,237百万円、66.5%増)と、前期に比べそれぞれ増加しております。なお、当期は、電気通信事業者向けの光ファイバケーブル及び同関連製品の販売に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして公正取引委員会の調査を受けていた件について、課徴金納付命令の事前通知(命令案)を受領したことに伴い、当該命令案の金額6,763百万円を課徴金引当金繰入額として特別損失に計上いたしました。

 

 期末配当金につきましては、当期の業績等を勘案し、前期期末配当金に比べ1株につき2円増額して9円とさせていただきました。これにより、中間配当金(7円)を含めました当期の配当金は、前期に比べ2円減の1株につき年16円となります。

 

対処すべき課題

 当社は、昨年6月に公正取引委員会の立入検査を受けていた電気通信事業者向け光ファイバケーブル及び同関連製品の販売に関し、東日本電信電話㈱、西日本電信電話㈱及び㈱エヌ・ティ・ティ・ドコモ等との取引において独占禁止法違反行為があったとして、本年5月21日付で排除措置命令及び課徴金納付命令を受けております。この命令への対応につきましては、慎重に検討してまいりますが、このような事態に至りましたことを、株主の皆様に、深くお詫び申し上げます。また、本年2月には、自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品の取引に関しましても、公正取引委員会の立入検査を受けており、株主の皆様に、大変ご心配をお掛けしておりますことを、併せてお詫び申し上げます。経営陣一同、これらの事態を極めて深刻に受けとめておりまして、既に競争法コンプライアンス規程を策定し、また専任組織の設置を進めるなど、不退転の覚悟をもって、違反行為の根絶・再発防止に取り組んでまいる所存です。

 

 今後の世界経済は、各国の景気刺激策が一巡し、自律的な景気回復力が試される局面を迎えますが、欧米では、雇用情勢の更なる悪化とそれに伴う個人消費の減少や、南欧諸国の財政不安が危惧され、また、新興国経済についても、中国では急速な経済成長が継続しているものの、不動産価格の高騰など景気過熱の動きが懸念されます。日本経済も、政策効果による個人消費押し上げの反動や、公共投資の一段の減少の影響が予想され、企業収益を取り巻く環境は、依然として不安要因の多い不透明な状況にあります。

 

 このような情勢のもと、当社グループは、いかなる環境下でも利益をあげられる筋肉質の企業体質を構築すべく、従来からの構造改善策、及び、S(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)の体質強化策に加え、「業務の効率化、生産性の向上に向けた全社指針」を掲げ、生産現場のみならず、あらゆる業務において徹底して「ムダ」を省き、一層の業務効率化と総原価低減を図ります。また、各事業においては、次のような施策を進めてまいります。

 

 まず、自動車関連事業では、昨年は世界の自動車市場が縮小するなか、中国、インド、ブラジルの新車販売台数が過去最高を記録するなど、新興国市場の重要性が一段と増しております。ワイヤーハーネスでは、従来の先進国市場はもとより、日系・欧米系自動車メーカーの新興国向け戦略車や、民族系メーカーへの拡販を進め、高まる新興国市場の需要を確実に捕捉してまいります。また、コスト面でも、低コスト地域への生産拠点移管など、グローバルな生産最適化をさらに加速し、競争力の一段の強化を図ります。また、ハイブリッドカーや電気自動車向けの高圧ハーネス、軽量化により燃費向上に寄与するアルミハーネスなど、需要の高まる環境対応車向けの製品開発・拡販を進め、2012年の世界シェア25%の実現に向けて邁進してまいります。防振ゴムについても、小型・軽量化のニーズに応じた製品の開発・拡販や一層の原価低減に取り組んでまいります。

 

 情報通信関連事業では、本年9月に予定しております中国杭州における光ファイバ用母材の製造開始に向け、円滑な立ち上げに注力するとともに、既存の光ファイバ・ケーブル工場と併せ、生産・供給体制をグローバルに構築し、新興国を中心に高まる通信インフラ需要を捕捉してまいります。また、光・電子デバイスでは、昨年4月のユーディナデバイス㈱の100%子会社化に続き、8月には住友電工デバイス・イノベーション㈱に商号変更し、営業・製造拠点の再編など、経営基盤の強化を進めました。今後も製品開発の効率化など、一層のシナジー効果を追求してまいります。併せて、光通信用デバイスの製造拠点を、国内から中国へシフトし、円高対応やコスト低減など、競争力強化策を推進します。

 

 エレクトロニクス関連事業では、薄型テレビなどデジタル家電の好調な需要に対応し、電子ワイヤーなど関連製品の拡販に注力いたします。FPC(フレキシブルプリント回路)では、携帯電話の高機能化に対応し、より付加価値の高い製品を開発・拡販するとともに、中国・東南アジアなどへの生産移管を進め、一層のコスト低減を図ってまいります。また、水ビジネスにおける、精密ろ過膜モジュールの中国など成長期待市場への参入や、化合物半導体での、世界初の純緑色半導体レーザ発振の成功など、新しい事業も実を結びつつあります。これらの成長分野にも資源を投入し、早期の収益化を図ってまいります。

 

 電線・機材・エネルギー関連事業では、電力系統の安定化・送電効率の向上を目指すスマートグリッド(次世代電力網)構築に向け、各国での実証実験が進められるなか、当社の持つ技術を結集し、積極的に参画してまいります。具体的には、超電導ケーブルや長距離直流ケーブルなどの低ロス送電ケーブル、太陽光発電用パワーコンディショナ(直流電力を交流電力に変換する機器)など、関連製品の開発・拡販を進めてまいります。また、中国・アジアなどの鉄道インフラ需要の増加に対応し、トロリー線や車両用空気ばねの製造・販売の拡大を図るとともに、ハイブリッドカー用の電池向け電極材(セルメット)や耐傷性巻線など、自動車関連分野でも積極的な製品展開を推進してまいります。

 

 産業素材関連事業では、特殊金属線については、橋梁などのインフラ向けPC鋼材の内外需要を確実に捕捉してまいります。また、超硬工具、焼結製品では、新興国市場でのシェア拡大に向け、中国・インドなどの製造・販売拠点を拡充するとともに、コスト面でも、国内生産拠点の集約と中国での生産能力増強など生産最適化を進め、一層の競争力強化を図ってまいります。さらに、タングステンなどの超硬工具の主要原料については、調達先の多様化やリサイクルの促進など、資源の安定調達と環境保全に努めます。併せて、シリコン太陽電池の精密切断加工に欠かせないソーワイヤーや、車載用・通信用ヒートシンク、硬度や耐熱性に優れたナノ多結晶ダイヤモンドの応用製品など、成長が期待される製品についても開発・拡販を推進いたします。

 

 研究開発においては、「環境・資源」、「ライフサイエンス」、「安心安全・ユビキタス」を、当社グループの次世代の成長を担うテーマの柱とし、新規事業の早期創出に取り組み、2012年度の新製品売上高比率30%の実現を目指します。本年1月には、次世代を見据え、長期的な社会のニーズ、構造変化に対応した新しい事業領域の発掘に向け、社会動向や技術革新を調査・分析するシンクタンク機能として「NEXTセンター」を新設いたしました。併せて、スマートグリッドの構築など、広くエネルギー問題を俯瞰し、グループの持てるエネルギーとシステムに関連する技術を結集した研究開発を推進すべく、「パワーシステム研究所」を新設いたしました。今後、「NEXTセンター」と連携し、新規事業の早期創出に努めます。また、本年4月に大阪製作所に新研究本館「WinD Lab」が竣工しました。異分野の研究及び研究者間の交流の場として、より活発な研究活動に向けた環境整備を進めてまいります。

 

 当社は、メーカーの生命線である「品質管理」については、「絶対への挑戦」をトップ方針として、現状に安住せず日々その改善に取り組んでおります。品質の根幹となる「モノづくり力」の維持・強化については、一昨年に開設した「テクニカル・トレーニング・センター」にて、各種研修プログラムを実施することにより、次代のモノづくりを担う人材の育成に注力しております。具体的には、エンジニアを対象とした「モノづくり革新プロ・実践道場」は、実際の製造現場での課題解決を目的とした実践道場型研修で、重要課題に半年から1年をかけて取り組むものです。また、製造現場のリーダークラスを対象とした「現場改善プロ・実践道場」や、製造現場全員を対象とした「モノづくり基盤強化プログラム」など、それぞれの役割に応じた研修プログラムの実施と問題解決の実践経験を通じて人材育成に努め、「モノづくり力」を一層強化してまいります。

また、当社は、国内外における人材育成や学術振興・研究助成を行う「住友電工グループ社会貢献基金」を創設し、本年2月に公益財団法人として認定を受けました。今後も継続して、社会貢献活動に取り組んでまいります。

 

 当社グループはこのように、企業としての社会的責任を果たす一方、環境の変化に対応したスピーディな事業展開を進め、業績の向上とグループの発展に努めてまいります。

 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜わりますようお願い申し上げます。

平成22年6月

社長 松本 正義
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